おしまい

昨日、西荻窪の銭湯玉の湯がおしまいを迎えたことを知り、今朝それを確かめにそこへ向かった。誰に教えたってはずかしくない『日本の銭湯』だ。そんなはずはない、あんなに元気よく、皆に愛されていたのに、そう思いながらも大方確かそうな情報にざわざわする。
そこには聞いていたとおりの『おしまい』が待っていて、茫然としながら、ひとまず写真だけ撮ることにした。そのまま近くの喫茶店に行き、ぼんやりしていたら空に吸い込まれるような、滲んでいくように、自分の中でその出来事がちいさく、たしかな波を立てながら遠くに行ってしまいそうな感覚になる。今日の帰りに寄ってみても、そこからはだれも出てこないのだろう。失ったものがじわじわとわたしの中で広がっていく。
陽射しが、強すぎる。



今日は夕方までひとりで店番。黙々と本を拭き品出しし、昨日空腹のために書けなかった日記を書く。明日は棚が来て、本を詰める日。順調にゆくといいな、と思う。空っぽの本棚。楽しみだな。


それでは

さようなら

うすだ