機械仕掛けの可愛らしさ


吉祥寺東急百貨店の自動昇降機にて。機械がミニマムな可愛げのないものになるまえの愛らしさがあります。モダン。

雨が冷たいですね。風が吹けば身を丸くしてしまいます。季節の変り目皆様お体ご自愛くださいませ。
開店してすぐ昨日メールで届いていた原稿の校正。すぐ返却。これであとは出来るのを待つのみかしら。

催事用の荷作りをぼちぼちと。一日終わってしまいました。



昨日のこと。
2時過ぎ新宿ベルク。K店のIさんに会う。久しぶりだ。ひとまずビールを頼んで。少し遅刻。お詫びにビールをご馳走。お約束。だいたいわたしは待ち合わせに遅れる。店内では懐かしい曲がかかってる。90年代のPOPSもずいぶん昔のように聴こえてくる。山下達郎がなにかを歌ってる。松任谷由美も歌ってる。ひとまわりしたのだろうか。同じ曲がかかるころ2杯のビールを呑み終えて店を出る。深過ぎない酔いがふんわりとまわる感じが昼のビールの素敵なところ。丸の内線で銀座へ。外を歩けばひんやりとした風がアルコオルの染みた体に気持ちよい。月光荘へ。月光荘のホルンはやっぱりなかった。寂しいことです。この時期は新入学前のせいだろう、鞄類が少なめ。1点1点職人による手作りのため忙しいのでしょう。ホルン、お返しくださいませ。文具をひとつ。地下の喫茶はまた今度。その後すぐ近くの平つかへ。小さな店内で静かにそっと並ぶ文箱、はがき、便箋たち。和紙類のものなども素敵。ガーゼのハンカチを1枚。それから風月堂のお菓子を硝子ごしに眺めたりしながらHOUSEOFSHISEIDOへ。オイデルミンなどのレーベルなどを見たりしてうっとり。山名文夫や、昔の資生堂の広告のポストカードも。文机の上でちいさな額に入れたらさぞ素敵でせう。そろそろ日も傾きだしたので並木通りを歩き大衆割烹三州屋へ。仕事帰りのおじさまたちでにぎにぎする前にと思い向かったものの流石、すでににぎにぎ。4時半まえなのに。『お食事?お酒?』とつっけんどんなおばさま。なかなかなぶっきらぼう。『お酒を。』と、はいってすぐ脇のちいさなカウンターに。隣に座っている初老の紳士は耳を真っ赤にして熱燗を傾けている。そんな紳士はおばさまにお嬢さんと声を掛け冷たくあしらわれている。それでも紳士は楽しそうだ。ビールをふたつ頼んでぐるりと見渡す。壁に貼られた短冊型のたくさんのお品書きたち。がやがやと、うるさくない騒がしさが心地よい。目の前のボードに書いてあるおつまみをいくつか。鳥豆腐が美味。帰る頃にはぶっきらぼうなおばさまもなんだか可愛らしく見えてくる。小1時間ビールを2杯。ぼやぼやと歩いてカフェー・パウリスタへ。ぼんやり。で、すぐ近くの銀座ライオンへ。モダンな造りの店内がずっと見てみたかった。ボーイさんがテーブルへ。今日からだという110周年記念のビールがおすすめとのこと。言われるがままふたつ注文。晩御飯時ということもあってか黒と灰色の背中がたくさん揺れている。大きなジョッキ片手に笑ってる。ビアホールは賑やかでいい。ときおり天井を見上げれば黒ずみすすけた煉瓦たち。それが連なりつくるアーチは見てるだけでうっとりする。がやがやした店内に自慢のロースト・ビーフが焼けたとアナウンス。それを聞いて頼む男性たち。なんだか楽しそうだ。ぼやぼやとあれやこれやと話し、ここでもビールを2杯。そのままなんとなく新橋まで歩き、電車を乗り換えたりでIさんと西荻へ。やっぱり戎に行ったとさ。レモンハイでさようなら。
最近ビールが美味しいの、というIさんとビールで呑んで話した昨日。よく話したねえ、呑んだねえと思い返す今日。難しい話や仕事の話はしなかったですね。それがなんだか嬉しく楽しかったです。『単純なことを、さも尤もらしく難解な言葉に置き換え話すなど野暮で、そこにあるのは浅はかな酔いでしかないようにおもう。言葉数少なくいかに伝えるかはセンス(感覚)の問題ではないか』のようなことをIさんが言っていた。面白かったです。嗅覚。
Iさん、またよろしくお願いします。


オイデルミンや山名文夫さんのカットなど。昔のアイデア資生堂特集号(私物)より。その号には山名文夫さんがお亡くなりになった、との記事が載っていた。

さようなら



うすだ