しあわせでした

collabonet_project2009-02-11

先に告知ふたつ。
『リブロ池袋本店 春の古本まつり』
場所池袋リブロ本館 イルムス館2F=特設会場(西武ギャラリー)
2009年2月11日〜2月17日まで。開催中。
■第30回西荻ブックマーク!2009年3月15日(日)@今野スタジオ『MARE(マーレ)』
『ダークサイド・オブ・ザ・探偵小説 昭和20年代編』
出演:山前譲 16:30受付/17:00開演 \1,500 定員25名<<やままえゆずる>> 1956年北海道生まれ。推理小説評論家、アンソロジスト。文庫解説や書誌研究著作も多数。2003年『幻影の蔵』にて第56回日本推理作家協会賞評論その他の部門を受賞。
ご予約、お問い合わせは西荻ブックマークまで→http://s1.shard.jp/nishiogi/nbm_menu3.htm

写真は、探偵雑誌『妖奇』と『甦る推理雑誌4 「妖奇」傑作選』(光文社文庫)。今回の西荻ブックマークに関係あるようで、社長が持ってきてくれたものです。光文社文庫の【甦る推理雑誌シリーズ】は、『ロック』『黒猫』『X(エックス)』『妖奇』『密室』『探偵実話』『探偵倶楽部』『エロチック・ミステリー』『別冊宝石』『宝石』この全10巻。これと、【幻の探偵雑誌シリーズ】の全10巻もあれば素晴らしいですね。こちらは『ぷろふいる』『猟奇』『新趣味』『新青年』など。現在も新刊書店などにて購入できるよう。

本日祝日。高円寺の祝日は如何か。祝日だからといって売り上げがうんぬんみたいなものをまだ感じれない。今日はどうか。開店。陽が少しずつ出てきた昼過ぎ頃から、お客様が少しずつ来だす。店頭の均一にひとり、ふたり。そうすると、『おや、ここはなにかね』と、そんな具合にまたひとり、ふたりと。にぎにぎ。いい兆し。売れてはすかさず補充。きくところ、人が何かをしていると他のひとはそれが気になり、興味がなくても『なにかね』と思うらしい。たしかに、開店のとき、補充のとき、お手入れのとき、外でせかせかと動いているとひとが集まる気がする。しかし、とくに根拠もない話なのでこれで。夕方の雨。均一を階段の下と店内に逃がす。雨よけ透明ビニールカバーなども考えたりするけれど、値段はいくらか。でも、傘をさしながら本を見るのは難儀なので階段下に移動する今のやり方もいいものだな、と思ったりもする。傘入らず。如何か。
昨日、こけしを訪ねていらしてくださったお客様がいたらしい。『こちらにこけしがいると聞いたのですが』そうおっしゃっていらしたそうだ。いまや、ふたりだけとなったちいさなこけし。今日も寒い。市場で落札品の中のお目当てのものに値付けし、棚出し。途中、写真集を1冊持ったお若い男性。LEEMILLER。マン・レイの弟子で恋人の方。買取させていただく。寒さしんしん、閉店。今日はお買い上げいただくお客様がひとりで4、5冊ずつ買って行ってくださるので売り上げは思いのほかよかった。中も外もそこそこ動いてくれている。祝日?これはわからない。一日の動き出しがはやい気はする。いまのところそれだけ。やはり、高円寺は夜うごく、そんな気がする。
いつも来てくださるお客様から写真展のチケットを頂いた。東京都写真美術館やなぎみわ マイ・グランドマザーズ』。2009年3月7日から。写真美術館には横須賀巧光を見に行って以来行っていないけれども、なんとなく好みの場所。入口辺りの陽のはいり方が印象的だったからか。お出掛けするのは嬉しい。牛腸茂雄さんのポストカードも買わなくちゃ。ありがとうございます。

今日がおわり、昨日のはじまり。

夕方、吉祥寺に行く。Sさんに会いにバサラブックスへ。今日もマスクが怪しくお似合い。ハードコアな感じがして好みです。飴をひとついただいた。ひとからもらう飴、嬉しい。同じお店にしかいかない一辺倒なわたしに、首を捻り捻りいろいろ教えてくださった。その中で、昨年末に出来たばかりだというお惣菜屋さんに行くことにした。お腹も空いていた。地図をもらう。駅前のブックオフの脇を抜け、ずんずんと西荻窪方面に歩く。末広通りというらしい。途中、壁一面に掛け時計がびっしりとか鎮座している惣菜屋さんを見つけた。ここではない。はて、まだ見つからない、そう思う頃にお店はある。名前は『しまねこ軒』。さきほど渡された地図には『picnic food&drink』と、とぼけたような、スッとしたような、あいまいな顔の猫が書いてある。そおっと中を覗くと、女性がひとりせっせと働いている。お若い方。Sさんによると、ひとりで店を切り盛りされているとのことだった。気になった。ガラスケースの中に少しお惣菜が並んでいて、その奥のカウンターにお弁当用のお惣菜が大皿にひかえている。がらがら、戸を開け、このあとのことがあるので『サンドイッチください』といってすぐに店を出る。末広通りを引き返しながらもぐもぐした。歩きながら食べるのはお行儀が悪いか。いや、ちょっとしたピクニックである。美味しいお店を知れて嬉しい。こじんまりとしていて、控えめの感じが好みでした。もぐもぐと来た道をゆく。で、いせやへ。緊張をほぐすのにアルコールを。カウンターで小1時間、ぬるっとお酒が染みてきたところで目的の地、スターパインズカフェへ。埋火です。どきどきしながら、お店の前に出来ていた列になんとなく並んでみた。きっとこの列だ。係りの人に聞いたら、もう入れるみたいだった。列は当日券だった。並ばなくてよかったのか。初めてきた。なんだか小劇場のような空間だ。入口から地下に降りて、そこが二階席、さらに下に一階席。深い。椅子に座れて、お酒が呑めて、、ライブが見れる、という情報以外何も知らずにきたけどそのままだった。二階席にちょこんと座ってお酒を。今日は山本精一さんも出演。埋火のベース須原さんは元・羅針盤山本精一さんと須原さんのふたりが先に始める。きりきりと、あたたかくて、つめたい、そんな感じがした。PHEWの曲も聴けて嬉しかったな。『とぶ〜にんげんは〜おちる〜』。で、待ちに待った埋火。ステージ上のセットが格好いい。客席に90度横を向いたドラム、その向かいにギター、真ん中奥にベース。トータスを思い出した。ステージの真ん中にツインドラムが向かい合っている、あの姿。(格好いい)デビューアルバム『わたしのふね』とインディのときの『恋に関するいくつかのフィルム』の曲を終え、アンコールにもう1曲。1時間半の疾走。志賀さんの、胸の鼓動を潰されるかのようバスドラ、須原さんの笑顔、見汐さんの唸りをあげるファズギターに、甘さ漂う澄んだ声は辛口に響く。初めて聴いたとき、生で聴きたい!と思った。来れてよかった。サイケデリックな時間でした。サイケは加速する時間の中でしか生まれない。音色の形容のサイケではなく、加速する高揚感をサイケというのだ、と思う。じゃあ、お酒もサイケか。違うか。
帰り道、センチメンタルの距離のことをぼんやり考えつつ、西荻戻って、戎にやっぱり行ったとさ。ちゃんちゃん。

今日はしあわせだな、と、おもった。

昨日のことでした。

さようなら

●しまねこ軒→picnic food & drink しまねこ軒
▲埋火→http://uzumibi.fc2web.com/
■うすだ